2007年春 スタディツアー感想文 1 2 3
  ♪旅程(2007年春)
3/3(土) 午前 成田空港発
午後 バンコク着、ホテルへ
夕方 タイ古式マッサージ体験(希望者)
3/4(日) 午前 バンコク発
午後 カトマンズ着、ホテルへ
夕方 子どもたちへのプレゼントのお菓子とビーズ素材の仕入れ、お菓子セット作り
3/5(月) 午前 マイティ・ネパール本部訪問:女性と子供の保護施設・職業訓練施設・小学校などを視察
午後 新ホスピス訪問(ビーズ検品)
夕方 支援物資仕分け、お菓子セット作り
3/6(火) 午前 国内線でカカルビッタへ
午後 カカルビッタ着、トランジット・ホーム訪問
3/7(水) 午前 トランジット・ホーム訪問、国境と検問所見学
午後 旧ホスピス訪問
3/8(木) 午前 トランジット・ホーム、旧ホスピス訪問
午後 カカルビッタ発、カトマンズ着
3/9(金) 終日 新ホスピス訪問(ビーズ指導)
夕方 お菓子セット作り&寄付物仕分け
3/10(土) 終日 ホスピスのみんなと交流プログラム:動物園と映画館へ
3/11(日) 午前 フリータイム:パシュパティナート、ボダナート観光(希望者)、ビーズショップ開店のため貸店舗視察
午後 フリーマーケット商品の仕入れ
3/12(月) 終日 ホスピス訪問:交流プログラム(ランチ・パーティー)
3/13(火) 午前 NDWSデイケアセンター訪問
午後 マイティ本部お菓子セット配布、休息、フリーマーケット商品の仕入れ
3/14(水) 終日 フィールドワーク:NDWS・CBRプログラム対象家庭訪問
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3/15(木) 午前 新ホスピス訪問
午後 カトマンドゥ発、バンコク着
バンコク発
3/16(金) 午前 成田空港着、解散
「スタディツアーに参加して」

神原さん
(東京都 学生 女性)
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@  私がこのツアーに参加した事で(未だに消化できてない事も多いが)痛感したことが大きく二つある。

一つ目は、事実を知る重要性だ。なぜなら、ネパールにおいて誰を一番に助けるべきなのかを把握して、正確に行動しなければ、ネパールにおける人身売買や貧困問題の状況は<SPAN lang="EN-US">100年経っても変化がないからだ。

例えば、カトマンズにはじめて到着した日に街をうろつくストリートチルドレンを見かけた時、私は彼らに対して「可哀そうだ」と感じた。どうすれば彼らがお腹いっぱい食べる事ができて、学校に行けて幸せな生活を得られる事が出来るようになるのだろうかと真剣に考えていた。

 でもそれは私が彼らを街で一瞬見かけただけで感じた事であって、彼らの事を私は詳しく知っているわけではないのだ。それに気付いたのは、まり子さんの影響がとても大きい。まり子さんから多くのストリートチルドレンたちは自分達から好んで路上生活を選び、自由を満喫しており、たまに旅行者から得たお金でシンナーを吸っていると教えてもらった。実際に日本に帰国してからストリートチルドレンに関する本を読んでみて驚いた。私が考えていたストリートチルドレンと本で読んだストリートチルドレンは全く異なっていた。
A 長くなってしまったが、この事実を知る重要性から私は当面の間は事実を知ろうと努力するつもりだ。事実を知るためには10年間の修行だと思ってがんばりたい。(絶対にグローバルな女になりますから見ていてくださいね 笑)

 また事実を知る事で感情的になりすぎない自制心を常に持つ事も重要だと感じた。ラリグラスの活動を実際に現地で見て率直に思ったのは、きっと心ではつらい現実を見て泣いているのにそれを一切表には出さずに、助けるべき人を第一に考えようと努力をしているという事だ。

 心の中には常に大きな希望と情熱を持ちながら(くさい台詞ですが・・・)やれるべきことをやれる人間になりたいと思う。そのためのツールとして、事実を知る・見極めるという事が必要不可欠だ。

 それに気付いてから私は非常に怖くなった。きっと多くの旅行者たちは善意のつもりでストリートチルドレンに対してお金や食べ物をあたえているのだろうが、それは逆にストリートチルドレンの増加に拍車をかけているのではないだろうか。それはネパールの発展に多大な悪影響を長い目でみたら及ぼしているのではないだろうか。私の無知が現地で何らかの問題の火種とつながってしまうのではないだろうか。
B 援助を行う相手と私を含めて多くの人達は本当に正面から向き合っているのだろうか。少なくとも私にはできていなかった。それは私が感情的になりすぎていて事実をみようとしていなかったからだ。援助する側の身勝手な感情や要求が彼らの発展の足手まといになり、逆に彼らを追い詰めてしまう可能性があるという事を常に肝に銘じていなければならないと感じた。

 二つ目として挙げたいのは、「責任感」を持つという事だ。私はまだ社会に出た事もないただの学生で責任感を求められる場面に直面した事が少ない。しかしネパールで被害者の女性や子供達と実際に会って手を握ってみて、初めてNGOの責任・ドナーの責任は本当に思いと痛感した。まり子さんから来た「一度はじめたら継続しなければいけない」という言葉の重みがよくわかる。

 もしNGOが彼女たちを支援できなくなったら、彼女たちは行き場を失ってしまう。そう思うと背筋が凍えるような思いがした。ネパールでは人身売買の被害者の女性や子供達を取り巻く環境は本当に厳しい。まり子さんの受け売りだけど、だからこそNGOは、たたかわなければいけないし、ドナーも支援している女性達のためにお金を武器にしてたたかう責任感を持つ必要があると心から思う。その責任感こそが、ホスピスの女性や子供達の幸せにつながってくるのだとこのツアーで痛感した。

C またツアーに参加する前は、現場で実際に働いて、現地で何かしたいと真剣に考えていた。しかしホスピスの女性や子供達と話し、手をつないで笑っているうちに、自分を見つめ直す余裕ができた。そして私には日本でやるべき事がまだまだたくさんあると気付いた。

 私が毎朝新聞を読んで事実を知る修行?をするのも、社会に出て自立するのも、新しい家族を作るのも、全て責任感を持つという事につながるのでないだろうかと考えるようになった。そう考えるようになったのはラリグラスのスタッフの皆さん、ツアー参加者の皆、また何よりホスピスのみんなのおかげだ。特にホスピスの女性達と接していると、女性の内に秘めた強さや命の重み、言葉では言い尽くせないお金なんかでは買えない大切なものをもらった。

 長くなるが、まり子さん、亀ちゃんさん、翔子さん、みほちゃん、あかりさんに心から感謝したい。まり子さんには自分の視野を広げてもらって、色んなことを教えていただいた。お笑い好きと知ってそのギャップに驚いたが、知識の豊富さと内に秘めた情熱を感じて心から尊敬した。

 亀ちゃんさんは、ビーズ指導でツアー参加前から本当にお世話になった。ツアー参加中に大家族の母みたいにいつも皆に気を配っていて、時に笑いを時に優しさを振りまけるビーズの上手な人だ。

D 最後の最後までビーズができなくって本当にごめんなさい。翔子さんは、ツアー参加前は一番真面目そうな常識人だと思っていたのに、実は一番笑いを振りまく注目されたがりで私の笑いのツボを常に刺激しまくる人だと判明した。

 みほちゃんと私は物事を見るポイントが違っていたので一緒にいてとても新鮮で、その上人とのコミュニケーションが上手で、どっちが年上かわからなくい程しっかりした子だった。あかりさんはとても注意深く周囲を見ることができる鋭い感性の持ち主でとても素敵な美人なお姉さんだけど、時々その外見に似合わない言動で周囲を一瞬で笑いの渦に引き込む実はかなりおもしろい人だった。

皆がいなかったら私はホスピスや(熱でダウンしていてあまり記憶がないけれど)の女性達との出会いやこのツアーで得られたものの半分も得られなかったと思う。

 ラジャさんのお宅にお邪魔した時に、このツアーで感じた事を最後に発表した時、私は「国際協力は矛盾していると思う。私たち援助する側は、私たちが近い未来に必要とされなくなるように努力しなければならないから」と口下手ながら皆に伝えた。

E その気持ちは日本に帰っても変わっていないし、むしろ一層強くそう思うようになった。なぜなら私が交流プログラムの日に、ホスピスの女性から「あなたたち日本人が来てくれる日が一番幸せ」という言葉を私は忘れる事ができないからだ。

 私は彼女のその言葉を聞いてどうしても心の底から喜べなかった。私は彼女たちの口から「あなたたちが来なくたって私は幸せなのよ」と言われたい。そうなって欲しい。一足飛びで現実を見ていないと批判されると思うけど、私は彼女たちがいつかNGOや海外からの援助なしに自立した生活が送れるようになって欲しい。それがNGOの目指す究極の目標だと思う。それがNGOや援助する側の永遠のテーマではないだろうか。

 長くなってしまったが、最後にもう一度ラリグラスのスタッフの皆さん、ツアー参加者の皆さん、ホスピスの女性や子供達に心から感謝したい。本当にありがとうございました。

「スタディツアーに参加して」

阪本さん
(香川県 社会人 女性)
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@  国際協力からかけ離れた仕事をしてきた私がスタディツアーに参加するにあたり、「あなたがほんの2週間現地に行って何かをしようとしても、何もかわらない」、「ボランティアしたいなら日本ですればいい」と、少なからぬ人たちから反対を受けた。そう言いたい気持ちは確かに分かるけれども、人生勉強としてどうしても今行っておきたい、と思い参加させて頂いた。

 旧ホスピスは全くの隔離社会だった。ダンスと食事、散歩以外にすることがなく、世間の風に当たることもできない。そんな姥捨て山のような施設に居乍らも、以前より精神が安定してきているというのだから、保護されている女性たちが如何に過酷な人生を送ってきたのかを知るは容易い。本当に人恋しそうな彼女たち。

 一日目に我々がホテルに帰るときですら、別れを惜しんでくれていた。少しだけど明日も会えるのに・・・。本当に切なかった。彼女たちのために出来ることといえば、この瞬間手をとって話をすることだけ。そうしていると、彼女たちの心の中にある「何か」がひしひしと伝わってきて辛い。でも、その「何か」を言葉で表現するのに、私の人生はあまりに平和で恵まれてきた。

 ホスピスでは、女性・子供たちの楽しそうな笑顔に、HIVや過去のことなど忘れてしまうこともあった。しかし、ふとそれを思い出す度、やり場のない憤りが胸をついた。女性たちの中には子供がいる人もいて、動物園や映画館では親子で行動していた。この親子、HIVの事実をどのように受け止めているのだろうかと思いを馳せようとしてみたが、私には計り知ることができなかった。
A 私は、自分の想像力の無さにしばしば嘆いてきた。「ある国でこんな風に人が死んでいます」というニュースを見たとき、想うべきはその与えられたニュースだけでなく、その死の先にあるものだ。しかし、テレビのチャンネルを換えればすぐその現実から目を背けることができてしまう。過酷な状況下にいる人々をどれほど気の毒に思ったとしても、心のどこかで、平和に生きてきた自分を見てほっとしている。気の毒に感じることが、偽善にすら思えることがあった。

 彼女たちとの交流を通して、人は、人と離れては生きられないのだとつくづく感じた。ネパールを離れてしまえば、直接彼女たちの手をとることは二度とないかもしれない。けれど、彼女たちの辛さと、そこから感じたこの切なさを何かに繋げるとしたら、「まず自分の隣にいる人の手をとり、親しみ、愛する」ということだろう。彼女たちの、真直ぐで、無条件に溢れてくる親愛の情に心打たれてならなかった。

 ツアーを終え、支援は地味で、地道な活動の継続に支えられているのだとよく分かった。そしてその最終目標は、支援の必要性がなくなることだ。ネパールへの支援の必要性がなくなるまで、その遠い道のりの中で私に出来ることといえば、蟻一匹の力ほどかもしれない。それでもネパールへの想い一つひとつを噛みしめながら、自分にできることをやっていこう。ずっとずっとこの現実を忘れずに、人生のそこ此処で思い出し、他の人に伝えることができる自分でありたい。
「スタディツアーに参加して」

竹内さん
(静岡 学生 女性)
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@ 今回このツアーに参加して一番思ったことは、支援する側、支援される側の関係といっても、結局は人と人の間にある信頼関係が大切であるということだ。

 ラリグラスは遠い日本からネパールに経済的な支援をしている立場であるけれど、新ホスピスや旧ホスピスにいる子達のバックグラウンドをよく分かっていて一人ひとりの感情をよく理解している。こうやって一人ひとりの感情を理解しているからこそ、女の子達や子供達からの信頼関係を得ることができるということがよく分かった。

 また、初めてホスピスを訪れた日本人の私達を女の子達や子供達が暖かく迎えてくれたのも、ラリグラスと彼女や彼ら達の間に信頼関係があったからのことだ。それは、ツアー中まり子さんが何度も言ってきた「支援は継続」のおかげであると思う。

 「支援は継続」という言葉には、最終的に女の子達や子供達が最終的に支援を必要としなくなるように、自立ができるようになるまで支援するという意味合いがこめられている。しかし、それだけでなく継続した支援をするからこそ生まれてくる信頼感がものすごく大切なことであるとこのツアーで心から感じた。



A NDWSのフィールドワークに同行させていただいた時も、フィールドワーカーさんと私達が家を訪問すると子供達はすごく喜んでいて、そこにも信頼関係が見られた。後、全部の家庭ではなかったけれども、親または兄弟が、障害を持っている自分の子供や兄弟に対してすごく愛情を抱いていることが感じられた。

 このようにした人間関係を見ていくうちに、当たり前のことだけど、私ももっともっと自分の周りの人たちを大事にしたいと思うようになった。自分が信頼しなくては相手からも信頼されない。本当にそうだと思う。

 他にも、まり子さんの「支援はお金」という言葉も心に大きく響いた。このお金は女の子達や子供達が生活していくための物理的なお金という意味もあるが、間違ったことを正すための武器として戦うためのお金という意味もあると教えてもらった。確かに、私達の目から見てもマイティ・ネパール本部は問題ありだとすごく感じた。だけどその中で生活しているのは保護された女の子や子供であり、その子達を守るために本部を変えていかなければならないだろう。

 ここで、支援する側は支援を受けている方から「ありがとう」とただ感謝されてはならないという言葉の意味がすごく理解できた。また、支援とはその子達の人生がかかっているのだから生半端な気持ちでできるものではなく、真剣に向き合わないとできないという現実も見た。
B 今、私の中には悪いNGOの現実にただただ驚くばかりではなく、短い間ではあるけれども素敵な女の子達や子供達と過ごした暖かい気持ちで一杯である。心から私たちのことを受け入れてくれてとても嬉しかった。

 また、私は彼女達や彼ら達のことを単純にすごいな、強いなと感じた。親がいなかったり、いても離れて暮らしいて現在集団生活を送ったりしていることもそうだけれど、特に女の子達の強さを感じた。

 それを特に感じたのは、新ホスピスでプリベンション・キャンプとマイティ・ネパールの子達が共同で児童買春についての劇と歌のパフォーマンスをした時だ。劇の内容は女の子が男にだまされインドの売春宿で働かされるというものだった。この劇を見ている時、観客の女の子達はかなり笑っていた。その時私は、みんなこれと似たような境遇を背負っているのにこんな劇見てつらくならないのかなとすごく不思議だった。

 しかしその夜まり子さんやラジャさんが教えてくれたことによると、「人間は誰でも自浄能力があるもの。時間がたてば傷は癒えていく。保護されて間もない子にはできないが、時間がたてばこの劇を見ても『あぁ、こんなことあったな。すごく似ている』と思えるようになる」ということだ。これを聞いた時から、生命力の強さ、彼女達の精神力の強さをすごく尊敬するようになった。この劇と歌のパフォーマンスからすごくたくさんのことを学んだ。


C 私はこのツアーで経験したことを絶対忘れたくない。NGOの実態に対するやるせない気持ち、女の子達や子供達からもらった暖かい素敵な気持ち、支援を必要としている人々に何かできることはないのかというこのもどかしい気持ち。どれもとても大切な気持ちだと思う。

 本当に支援を必要としている人達が途上国にいるのは確かだけど、この日本にもまだ支援を受けるべきなのにその支援の枠から取りこぼされている人がいるかもしれない。これからの日本が考えるべき問題であると思う。

  私は、このツアーから帰ってきてから、日本のこと、途上国のこと、国際協力のことなど、もっともっと勉強したいと思うようになった。本当に参加して良かったと思う。

 最後に、まり子さん、亀ちゃんさん、翔子さん、あかりさん、けいちゃん、ラジャさん、私がネパールで出会った素敵な人達へ。本当にどうもありがとうございました。
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