2007年夏スタディツアー感想文 1 2 3
  ♪旅程(2007年夏)
8/18(土) 午前 国内線で羽田から関西国際空港へ、関西国際空港より出発
午後 バンコク着、ホテルへ
タイ古式マッサージ体験(希望者)
8/19(日) 午前 バンコク発
午後 カトマンズ着、ホテルへ
夕刻 子どもたちへのプレゼントのお菓子とビーズ素材の仕入れ
8/20(月) 午前 マイティ・ネパール本部訪問:女性と子どもの保護施設・職業訓練施設・小学校などを視察
午後 新ホスピス訪問(ビーズ検品)
夕方 支援物資仕分け、お菓子セット作り
8/21(火) 午前 国内線でカカルビッタへ
午後 カカルビッタ着、トランジット・ホーム訪問
8/22(水) 午前 トランジット・ホーム訪問、国境と検問所見学
午後 旧ホスピス訪問
8/23(木) 午前 トランジット・ホーム、旧ホスピス訪問
午後 カカルビッタ発、カトマンズ着
夕刻 支援物資仕分け、お菓子セット作り
8/24(金) 午前 マイティ本部の子どもたちにお菓子詰め合わせ配布
午後 新ホスピス訪問:ビーズ指導
8/25(土) 終日 ホスピスのみんなと交流プログラム:動物園と映画館へ
8/26(日) 終日 ホスピス訪問:交流プログラム(ランチパーティー)
8/27(月) 午前 フリータイム:パシュパティ、ボダナート観光(希望者)
午後 フリーマーケット商品の仕入れ
8/28(火) 午前 NDWSデイケアセンター訪問
午後 新ホスピス訪問:ビーズ指導
8/29(水) 終日 フィールドワーク:NDWS・CBRプログラム対象家庭訪問
8/30(木) 午前 マイティ本部訪問
午後 カトマンズ発
バンコク発
8/31(金) 早朝 西国際空港着、国内線で羽田へ、解散
「初めてのスタディツアーを終えて」

中山さん
(東京都 学生 女性)
▲TOPへ
@ 今回私がこのスタディツアーに参加して感じたことは、私はとても恵まれているという事実であった。

 生まれた境遇や育った環境など自分自身で何不自由ない生活をしていた私だと自分でわかっていたつもりであるが、今回のスタディツアーに参加してそれを再確認させられた。
A スタディツアーに参加した目的は卒業論文を書く目的であったが、ツアーの参加途中からそのことよりも、こういうことがあるという現実に目を背けられなくなり、論文などのことよりも人身売買があるという事実や子供たちの運命を改めて考えさせられたツアーであった。

 今回は全員で3人というとても少人数のツアーであったがとても楽しかった。また今度社会人になってからまた違った目線で参加したいと思う。
「スタディツアーに参加して」

服部さん
(神奈川県 社会人 女性)
▲TOPへ
@ 今回の参加は二度目である。初めて参加したのは二年前。実は二年前の時点でまたネパールへ行こう、と考えていたが本当に実現できると思わなかった。

 二年前に参加した時は、カルチャーショックと暑さにやられてしまい、きちんと現状を見ないまま帰国してしまった。そのときは、時間的な都合がありカカルビッタのホスピス訪問が大半で、マイティやラリグラスの活動を殆ど理解できないまま、全体像を把握しないままだった。それが自分にとって心残りだった。

 今回もまた途中参加で、一人カトマンズに到着した時は、大勢の子供たちとレストランで食事をし、映画を見た日でカオス的な始まりにまたもやなったのだった。しかし、それがネパールと受け止められるようになったのは、二度目で自分の中に余裕がうまれたからだろう。

 新しいホスピスや保護されている女性や子供たちの姿をきちんと見ることが出来たように感じる。最も印象的なのがNDWSの活動である。かなり体系化されたプログラムの中で福祉サービスの提供をしている。

 具体的な治療活動はそれほど見ることは出来なかったが、定期的にスタッフが訪問したり、可能な子供たちはデイケアに通うシステムが整っていると感じた。

A しかし、国がこれを保障せず外国の支援に頼らざるを得ない現状は、これは福祉サービスの向上や制度の整備以前に、ネパールという国のあり方が根底にあると感じた。

 日本では常識的な社会保障制度はまだまだの感があるが、福祉制度を整備していくにはその国や地域に見合ったやり方でないと根付きにくいものかもしれないとも思った。訪問してよかったとの思いはある。今後自分が携われることはあるのか?と自問するとないに等しい。

 しかし、世の中にはこんな現状があるのだということを知り自分の中にとどめるだけでなく、周りに知らせていくことは出来ると思う。遠いところからそっと見ていきたい。それが今の自分に出来ることである。

 ホスピスでは、女性・子供たちの楽しそうな笑顔に、HIVや過去のことなど忘れてしまうこともあった。しかし、ふとそれを思い出す度、やり場のない憤りが胸をついた。

 女性たちの中には子供がいる人もいて、動物園や映画館では親子で行動していた。この親子、HIVの事実をどのように受け止めているのだろうかと思いを馳せようとしてみたが、私には計り知ることができなかった。
「スタディツアーに参加して」

藤田さん
(静岡県 学生 女性)
▲TOPへ
@ 私は、昨年の夏にこのツアーに初めて参加し、今回が2度目の参加となりました。2度目の参加を決めた理由は様々あるけれど、そのひとつで最も重要だった理由は、前回帰国の際にホスピスの女の子に「また絶対に来るから、私の顔を覚えておいてくれ」と言ってきたことでした。

 約束は守る。
 簡単なことだけれど、日本人にとってそれが重要であるという観念は希薄です。私たちの日常生活において、「また会いましょう」という言葉は全くお互いにその意志がなくとも発せられます。

 努力さえすればいつでも会える、もしくはその人と会えなくても、私たちは日々多くの人と関わりながら生活ができるからでしょう。1年に2度だけ訪問する、しかも毎回メンバーが違う、そんな日本人を心待ちにするホスピスの女の子達にとっての、「また会おう」という言葉の重さは計り知れません。

 計り知れないけれど、まり子さんからそれが驚くほど大切な約束であるということだけは教えていただきました。
その約束を守る為もあって、今回の参加を決めました。

 昨年、帰国してから私は「どうやってこんな遠くに住む人たちのことを覚えていたら良いのか・・・」という戸惑いを覚えていました。

A しかし、1年経ち再びネパールでの2週間を経て考えてみると、覚えていることは想像以上に簡単でした。

 ネパールの地を再び踏むと、昨年見たもの、感じたことが溢れてきて、もう1年も経ったのかということに本当に驚いてしまうくらい自分の記憶は鮮明だったのです。それ程にサッチガッタやホスピス、NDWSの人達が私たちに与えたものが大きかったのだということを改めて実感しました。

 しかし、それでも確実に1年という時間は流れていて、サッチガッタの子たちは以前よりずっと快活に生活しているように見えました。ホスピスの女の子達もビーズショップ開店に向けて、ビーズ製作を頑張っていました。こうして、遠く離れていても私もこの子達も同じように1年間を生きたのだなと思ったら、それは少し感動的なことでした。

 出発前に、ある人と話していて、その人は「何を幸せと定義するかによって、私たちの方が幸せとは言い切れない」と言っていました。でも、やはりそれは言い訳だと私は思います。贅沢な生活をする言い訳ではないかと。

 世界中では毎日飢餓で多くの人が亡くなっています。ホスピスの女の子達は私には想像も出来ないような過酷な世界を生きてきた人たちです。それが果たして不幸でないと言えるでしょうか?それらの不幸な現実の根源は貧困だと私は考えます。では、その貧困はどこから来るのでしょうか。

B ものすごく単純化して考えれば、私達先進国と呼ぶ国に住む人々が彼らが食べるべきものまで食べているのです。私達が彼らから多くのものを搾取してきた結果だと考えます。それらの現実に私たちは目を瞑っています。もちろん、そういったことを毎日毎日考えていては私達も生きていけません。

  その現実が苦しすぎて生きていけないのではないかとう思います。でも、私達が考えただけで苦しくなるような現実から、逃げるわけにはいかない人たちがこの世界に大勢いることを、忘れてはいけないのだと思ます。

 私は、このツアー中も含め、時々自分が本当はものすごく冷たい人間で、ただ現実を知って心を痛めている自分に酔っているだけではないかと考えることがありました。例えばネパールに行って、ホスピスの子達に会い、彼女達のことを一生懸命考えたとしても、帰国してしまえば私の思考は自分の生活にどんどんシフトしていきます。自分のしていることは結局自己満足なのではないかと思うことがあります。

C ネパールから帰ってきて、そんなことを考えたけれど、結局自分に出来ることは自分の与えられた環境で精一杯生きることなのかもしれないなと思いました。それも逃げ道なのかもしれないけれど、例えば自分の生まれた環境に罪悪感を感じて、何もしないのはネパールで出会った人たちにとても失礼だと思います。

 ホスピスの女の子は自分達で庭を畑に変えました。私はここで、そんな風にたくましく生きる彼女達に恥ずかしくない生き方をしようと思います。

ツアーに参加し、様々なことを考え現段階ではまだ混乱していますが、これがとりあえずの感想です。
本当の意味での感想は今後の私の生活に現れるのではないかと考えています。

最後になりましたが、まり子さん、翔子さん、野香さん、参加者の皆様、ラジャさん、大変お世話になりました。ありがとうございました。
▲TOPへ

〒108-0072 東京都港区白金3−10−21
TEL&FAX 03-3446-2193
e-mail info@laligurans.org
Copyright (C) Laligurans Japan