第33回、2013年夏スタディツアー感想文 1 2 3 4
  ♪旅程(2013年夏)
8/18 (日)
成田発、香港経由カトマンズへ
カトマンズ着
8/19 (月) 午前
午後
ホスピス訪問
マイティ本部にてお菓子セットづくり
8/20 (火) 午前
午後
マイティ本部見学(乳児室、テレサ・アカデミー、ランチタイム風景など)お菓子セットを手渡し
ホスピス訪問(日本からのプレゼント、お菓子セットを手渡し)
8/21 (水) 午前
午後
ホスピス訪問(ビーズ制作指導・検品、けん玉・カバディなどのゲーム大会)
フリータイム(観光、ショッピング、フリーマーケット商品の仕入れ)
8/22 (木) ホスピスのみんなと交流プログラム:映画鑑賞とレストランランチ
8/23 (金) 午前
午後
NDWSデイケアセンター訪問(NDWSスタッフよりレクチャー、授業風景・ランチタイム見学)
フィールドワーク:NDWS・CBRプログラム対象家庭訪問
8/24 (土) 終日 ホスピスのみんなと交流プログラム:ランチ・パーティー、手品披露
8/25 (日) 午前
午後


夕刻
国内線にてカカルビッタへ
トランジット・ホーム、メンタルケア施設訪問
(日本からのプレゼント、お菓子セットを手渡し)
トランジット・ホームの子どもたち、メンタルケア施設の女性たちへのプレゼント
(子ども服や女性の衣類)の買い出し
8/26 (月) 終日 トランジット・ホーム&メンタルケア施設の入所者・スタッフとともにピクニック
8/27 (火) 午前
午後
国境見学、トランジット・ホーム、メンタルケア施設訪問、メンタルケア施設では手品を披露
国内線にてカトマンズへ、帰着後、フリータイム
8/28 (水) 午前
午後
夕刻
フリータイム、フリーマーケット商品の仕入れ
ホスピス訪問(会員の皆様からの手紙の紹介など)
出発までフリータイム、フリーマーケット商品の仕入れ
カトマンズ発、香港経由帰国の途へ
8/29 (木) 午後 成田空港着後解散
 
 主催:(株)風の旅行社
 企画運営:ラリグラス・ジャパン


1
1.スタディツアーレポート
大野国 さん
(東京都 社会人 男性)
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8月21日(水)
 深夜にカトマンズの空港に到着。ホテルに着くと、ツアー参加者の三島さんと、昨年に続いての藤本さん(ナルちゃん)、理事の高柳さん(ユミちゃん)、まり子アンティが、遅い時刻にもかかわらず起きて待っていてくれた。

 昼間にホスピスの子どもたちとゲームをしてお疲れのところ、起きていて下さりありがとう! とりあえず自己紹介だけ済ませ、皆さんお休みなさい!

8月22日(木)
 ホスピス交流プログラムで映画鑑賞とランチにお出かけの日。これまで私は日程の都合でこの企画に参加したことはなかった。 ツアー参加3回目にしてようやくのチャンス。しかしこの外出企画に関し、何やら不穏な(?)動きが感じられる。 何とまり子アンティが、翌日帰国するためホスピスでのランチパーティ&仮装手品ショウに参加できない三島さんに仮装の快感(?)を味わって貰おうとヒミツの計画。 それは、みんなが映画に夢中になっている間に女装した男性陣を客席に紛れ込ませてびっくりさせるプラン。 当然その女装メンバーの中には、初体験となる三島さんだけでなく私も含まれている。

 映画のストーリーがクライマックスに向かう頃、私と三島さん、そしてまり子アンティとユミちゃんがこっそりと客席を離れる。 そして映画館の通路にある椅子に座りお化粧させられる男性2名! その2人はあらら、何と公衆の面前でナイティに着替えることまでやってしまったのでありました。 ナイティネパール(昨年のツアーリポート参照)が白昼堂々衆人環境への登場! 2人の名は「マサコ」さま(三島さん)、そして去年からさらにバージョンアップして豊満ボディとなった「ミツコデラックス」!  (風船を2つふくらませて、100円ショップで買った腹巻きでくるんで身につけることで豊満ボディを実現)
 さて、映画の方はヒロインが死んでしまい、ヒーローはその後の人生を独り身で貫くという涙のラストを迎え、観客も涙を流している。 しかし、館内が明るくなった途端、その涙は館内に現れた2人の美女(?)を見たことが原因で、笑いすぎによる涙に変わってしまったのであった。

 映画が終わった後、そのままの格好でレストランへ移動。いつもと違う空間で多くの人たちと食べる食事はまた格別のようで、みんなモリモリ食べてくれました。 食事の後、子どもたちはレストラン内の遊具コーナーへ。マサコさまもミツコデラックスも子どもたちとボールを投げたりして遊ぶ。 身体を動かしたら、汗をかいてきて化粧がちょっと崩れちゃったみたい。

8月23日(金)
 NDWSデイケアセンター訪問。昨年は特別企画で学芸会兼運動会的な催しだったが(昨年のリポート参照)、今年は日常のケア風景。ハシーナがセンターに来ており、去年と変わらぬ笑顔を見せてくれる。

 フィールド訪問ではセンターから近くにある家を訪れた。今回訪問した子どもは、ちょっと太り気味。このまま成長していくと、体重が重くなりすぎて家族が身体ケアをするのに苦労しそう。 身体の機能回復も大切だけれど、日常の栄養管理も気をつけないとリハビリにも支障を来すし、別の障がい(例えば糖尿病になったりすると怖い)の恐れもあるので、しっかりその辺りも含めてのケアが必要だろう。

8月24日(土)
 三島さんは短期コースのため前日で帰ってしまったけれど、この日はスタディツアーメインイベントの交流プログラム。まずはみんなでわいわいがやがやと食事の準備。 例年通りお魚料理は外せない。みんなで食事をした後はショウタイム!
 今年は男性陣が少ないため、初の企画としてホスピスの男性スタッフ2名も女装することに! 突然のお願いにもかかわらず2人とも快諾してくれて、早速お化粧。カツラをかぶりナイティを着て、いざ、みんなの前に出ると、それはもう大ウケ! 

 日本人の仮装は見慣れていても、身近なスタッフ男性が女装したことに皆大喜び。 喜ばれるとサービスしたくなるもので、2人とも甲高い声を出してみたり、子どもたちとじゃれ合ったりと、仕事モードとは異なる一面を見せてくれる。もちろん日本人メンバーも負けるわけには行かず、新ネタ手品を披露したりと楽しく過ごしたのでありました。
       
8月25日(日)
 この日はカカルビッタに移動。トランジット・ホームに行くと、今年もまた保護されたばかりの女性達が! 残念ながら、啓発活動を続けていても、だまされてしまう例は後を絶たないのが現実。みんなもっと気をつけて!

  サッチガッタのメンタルケア施設の方は、緩やかな時が流れている感じがする。その緩やかな暮らしの中で、ラダもまた緩やかに成長を遂げていた。春のリポートにまり子さんが書いていたように、ラダの中には分かち合いの心が芽生えて成長を続けている。 配られたお菓子を自分だけで食べるのではなく、我々にも分けてくれたのだ。しかも、時々ではあるものの視線をちゃんと合わせてくれる。たとえ緩やかであっても確実な進歩。来年はまたきっと、さらに進歩した姿を見せてくれるであろう。

8月26日(月)
 サッチガッタメンバーお待ちかね、年に一度のピクニック。今年の行き先はイラムに行く道の途中にある、茶畑広がる高原の地カンニャム。 茶畑の中にあるちょっとした林がピクニックスポットになっており、そこでまずはティータイム。
 お茶の準備が進む間に、何故かツアーメンバーはバスの中に入り、何やらコソコソし始めた。 バスの中では何が繰り広げられたかというと…… 今年のピクニックでは何と、初の企画としてまり子さんの画策によりミツコ降臨と相成ったのである!
  美人過ぎる豊満ボディのミツコデラックスの出現に、施設の女性陣がどのような反応をするか危惧されたものの、結果は大ウケ! みんな、はじめて見るミツコの美しさに大喜びしてくれました。 ユミちゃんも「いなせな兄ちゃん」として登場。そうこうするうちにスタッフも含めてみんなで順番にカツラをかぶり大喜び。ピクニックの楽しみに新たなプラスアルファが生まれることとなった。

 残念なことに、今年はピクニックの後半には雨が降ってきてしまい、ランチは近くにあった茶店のスペースを借りることとなった。山の天気は変わりやすいと言うことか、それとも美人過ぎるミツコデラックスに山の神が嫉妬して雨を降らせたのか……。

8月27日(火)
 朝、国境を見学に行くと、まさに今朝保護された女性がいるとのこと。マイティによる国境の監視は6時から始まるのだが、それより早い時間に通勤途中のスタッフの1人が怪しげなカップルを見つけたと言う。 そこで声をかけてみたところ、まさに国境を越えて売られていくところだったということらしい。本当に危ないところで、よく気がついて保護してくれたものである。Good Job!  もし、わずかに時間がずれていたらそのまま国境を越えてしまっていたかもしれないのだ。未然に防げて本当によかった。

 国境見学の後は再びサッチガッタへ。前日は雨でお披露目できなかった手品を施設の中庭で披露。手品の後はいつものように音楽をかけてみんなでダンス、ダンス、ダンス。踊り疲れたところで今年の訪問は終わり。みんなに別れを告げてカトマンズへ移動。

8月28日(水)
 ツアー日程の最後に、再びホスピスを訪問。お互いに感想とお礼を述べあったり、子どもたちは将来の夢を語ったりして、最後はお別れの挨拶。淋しいけれど、ハレの日は本日まで。

 来年、再び訪問できることを祈りつつ、フェリ・ベタウラ!

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2.ラリグラス・ジャパン2013年度STレポート
齊藤 さん
(ネパール 社会人 女性)
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①  HIV/AIDS、人身売買。世界中から興味関心のある社会問題のひとつ。参加のきっかけは私がHIV/AIDSに関わる職業であることと、私の住む地域が人身売買の多発地域であったこと。でも最初は「人身売買」という興味をひくキーワードの世界を見てみたいという好奇心が少なからずあったと思う。

 しかし実際見た世界は「かわいそう」だけでは済まされない現実問題があった。そして「人身売買」「HIV/AIDS」という言葉ではなく、生活している人がいた。NGOの熱心な活動や、活動をする上での問題も見ることができ、カカルビッタの2泊3日は私にとって大変貴重な時間になった。

 「1週間では何も変えられない」―これはまり子さんがツアー中に何度か言われていた言葉である。マイティ・ネパールのスタッフたちは暑い日も寒い日も、国境沿いでの監視活動やホームでのケアを毎日している。交代制であってもその活動を継続するには忍耐が必要である。彼女たちの自分の使命感の高さに頭が下がる思いだった。

 また彼女たちの働きだけでなく、地域住民やリキシャ夫、警察をも巻き込み、問題を共有して国境沿いで協力して食い止めようとする姿勢は素晴らしいと思った。その活動のおかげでトランジット・ホームを見学したときには国境で食い止めた子たちが4人いた。私が滞在した2泊3日だけでホームに少女たちが5人もいたのである。

 私が想像しているよりもインドへ売られそうになる子は実に多く、容易に連れていかれそうになることに非常に驚いた。 少女たちと話をすると家庭環境から抜け出すため、都会への憧れ、恋人の誘いなど様々である。普通に考えれば違和感を感じることであるが、彼女たちにはそれが希望であり甘い誘惑であった。 しかし、一歩間違えれば、スタッフが止めなければ、彼女たちの人生が大きく変わっていた。本当によかった。
 彼女たちの現状から抜け出そうとする必死な気持ちも伝わり、バックグラウンドにあるネパールの貧困や女性の無教育などの問題も大きく関係していると思った。 彼女たちは派手な都会的な服を着ていても表情は幼く硬い。「自分が売られる」という状況とその背景を理解する前に不安でいっぱいだったと思う。 そんな子たちをディディとして受け入れるスタッフたちの優しさや強さを見て、次は彼女たちが強くなって欲しいと思った。

最終日トランジット・ホームに向かうときに、初日にホームにいた少女が制服を着て嬉しそうに学校へ登校する姿を見ることができた。思わず声をあげて呼んでしまっていた。私はそれくらい嬉しかった。

 サッチガッタのメンタルケア施設は人気のない場所にあり訪問者が少ないという。外部と接する機会も少ないため私たちの訪問時に一張羅のクルタを着て迎えてくれた。 精神障がい者というと日本でも認知度は低く、「一般的な人」とは見られない。見て見ぬふりをする。日本でそうであるのだからネパールとなるとさらに色濃くなる。 私もネパールにいてもネパールの精神障がい者について何も知らなかった。今回、無知であることの恐ろしさも学ぶことができた。

 まり子さんや大野国さんは年々彼女たちの表情がよくなっていると話されていた。何度も継続して施設に通い、彼女らと交流をしてきたからこそ感じられる変化なのだ。彼女たちもお2人には安心して甘えていたように思う。 顔を合わし、一緒に過ごすだけでも大きな力になっていると感じた。彼女たちと過ごした時間は本当に楽しかった。超短期滞在の私ができることは一緒に楽しく過ごすこと。 一緒に食事をし、踊り、笑い、楽しく過ごす……それだけだが彼女たちにとっては本当に年1度の大イベントであった。

 
 前日からのワクワク感、当日の嬉しさ、次の日の寂しさ。それをまり子さんから聞き、彼女たちを思うとすごく心が痛くなり、精一杯できることをして過ごしたいと思った。 ピクニック当日、ミツ子に変身する大野国さんの身体と心を張った変身と演出には、「彼女たちを去年よりもっと楽しませたい」という意気込みも感じられ、さすがでした。 まり子さん、高柳さん、ミツ子さんの楽しませたいという気持ちに一生懸命に体で嬉しさを表現してくれる彼女たち。すごく素敵な空間を一緒に作るお手伝いができ、私も嬉しかった。

3日目最終日に施設にお別れをした時の寂しそうな表情が印象的だった。「残して帰るのかー」1年後にこのスタディツアーが来るまで待つしかないのかと思うと辛かった。 私がネパールにいる間、できればもう一度会いに行きたい。また施設のスタッフは24時間体制で看護をしている。彼女たちへの負担は大きい。 NGO活動を行う上での資金力、施設力など様々な問題もあり、「ボランティア」というきれいごとでは済まされない現実だった。 

  「国際協力って、ボランティアって何?私がネパールにいる意味って?」今現在、ネパールで活動しながらもそんなことを考えていた最中の2泊3日は非常に刺激的だった。 自分にできること、継続する大切さ、対象者にどうなってほしいのか、必要とされることとは。自分の考えの無さ、知識の無さ、力無さ、行動の無さ、甘さ。様々なことを痛感した。 この気づきはとても大きく、今後の自分につなげていきたい。

 最後に。自分が忘れかけてた「あ、やっぱり人っていいなー」と思い直した時間でした。やっぱり私は人が好き。

  私が参加できるようにとアレンジしていただいたラリグラス・ジャパン事務局の皆様、まり子さん、高柳さん、大野国ミツ子先輩、ラジャさん。マイティスタッフ。 そして今回出会ったトランジット・ホーム、サッチガッタの女の子達。私にとって大きな経験をさせていただきました。ありがとうございました。

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3.ラリグラス・レポート2012 夏
藤本 さん
(高知 学生 女性)
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  私は今回のツアーでネパール2回目なのですが、ツアーを通してのネパールの印象はとにかく中国人が多い!ということです。えっ去年こんなに中国人いたっけ?いや、だからニーハオじゃないよ、コンニチハだよー。 と思わずにはいられませんでした。ツアーには直接関係のないことを書いてしまいました。

 しかし書かずにはいられないほどの衝撃だったのです。中国ではネパールへの移民政策をとっていると聞きました。これからのネパールはどうなって行くのか、そしてネパールに住む人々、特にマイティに関わる全ての人に良くない影響が及ぶのではないかと気がかりです。

 本題からそれてしまいました。今回、ラリグラスのツアーには2回目の参加をさせていただきました。

 まずはマイティ本部を見学させていただきました。幼児クラスでは歌を披露してくれたり、上級生のクラスでは、1人ひとりの夢を聞かせてくれました。 やはりドクターになりたい子が多く、なかにはジャーナリストになりたいと言う子もいました。特にジャーナリストになりたいと言う子の、自分の考えを持ってしっかり意見を言っている姿には、正直負けたなと感じました。 自分の意見を相手に伝えることは私の苦手な分野なので、私も日本で自分の意見をきちんと相手に伝えることができるようになって、もう一度リベンジしたいものです。

 そして今回は初めてポカ作りのお手伝いをしました。去年も、まり子さんから女の子のポカ作りのスピードがやばいと聞いていました。 ですから負けないようにと気合いを入れて作業に取り掛かったのですが、想像以上のスピードでした!女の子たちは目の前のお菓子を詰めることに意識を集中しています。 後の人のことは一切考えない!(笑) 女の子たちの迫力に圧倒された一面でした。
②  次はNDWSについて、今回はプレゼンの聴講と授業を見させていただきました。 プレゼンで感じたことは、関係者の方の努力で障がい者に対しての意識が確実に変化していること、支援に頼りきるのではなく、自らの力で状況を良くしていこうという姿を見せていただきました。 支援する側とされる側、両方の努力があってこそ、成長し、発展し、自立に繋がっていくのだと改めて感じました。

  障がいを持つ子たちの両親や家族、それを支える人達の努力と成果を今回の訪問で見せていただきました。そのような中でもやはり問題となるのはお金でした。 低賃金で子どもたちのお世話をしたり、車がないために支援の必要な子どもが施設に来ることができなかったりと、せっかくよいサポートを受けることが可能なのにそれを活用できない状況でした。

 最後にホスピスについて、今年もビーズの検品作業を手伝わせていただきました。女性たちの目が光る中での検品は昨年と同様に怖かったです。それだけ彼女たちも真剣なのだなと感じました。 来月、日比谷公園*で彼女たちの商品が売られる様子を実際に見ることができるので楽しみです。

 みんな覚えてくれてるかなぁという不安も持ちつつだったのですが、女性や子どもたちは私のことを覚えてくれていたみたいで、安心しました。 今思えば、私のことを覚えているのかなんてどうでもいいことで、逆に私が1人ひとりの名前を覚えていなくて申し訳ない気持ちになりました。 そんな私にでさえ「アンティ!アンティ!」と言って一緒に遊んでくれる子どもたち。 ネパールへ行く前は、来年は国家試験もあるし、卒論やら実習やらで忙しいから3回目はまたいつになるかわからないなあと思っていましたが、あんなに可愛らしい子どもたちの成長を見逃す訳にはいきません。
     
  成長といえば、さすが成長期の子どもたち。たった1年でみんな大きくなっていました。特に驚いたのがマドゥです。みんなのお姉さんとして子ども達の面倒をしっかりみていました。 彼女の夢は看護師。もし夢が変わらず看護師になったら、素敵な看護師になるのだろうと感じました。

 また、昨年約束をしたシータ・B.K.ちゃん。昨年はほとんど接することはなかったのですが、今年は自然と沢山会話をすることができました。 彼女のように年を重ねるごとにみんなと仲良くなっていけたらいいなぁと思います。

そしてメインイベント!今年もやってきました!!そう仮装です。今回は門番のおじさんや牛の世話をしているおじさんを巻き込み、前回より確実にパワーアップしていました!
   楽しみにしていたミツコさんは今年もとても綺麗で、子どもも私も常に興奮状態だったと思います(笑)特に街で宝石を見るミツコさん……最高でした!私のゴービンダーじぃは……。来年はマジックでミツコさんを圧倒したいと思います!

 今年もひとつの機会に便乗するだけで終わったような10日間でしたが、来年こそは、何かひとつでも自分がみんなのための思い出となるようなことを準備してツアーに臨みたいです。

 ラリグラスに携わる皆様に感謝を込めて。

4
4.2013年8月 スタディツアーを終えて
三島 さん
(広島県 社会人 男性)
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  スタディツアーに参加は初めてでありましたが、充実感あふれる1週間を過ごすことができました。代表のまり子さん、ユミさん、成美さん、大野国さん、現地通訳のラジャさんとご家族、石川さんをはじめスタッフの皆さんにお礼申し上げます。 色々な出来事がありましたので、書き足りない部分もありますが長すぎると終わりまで読んでもらえないので、印象に残っていることを中心に報告させていただきます。

【旅立ってもないのに……アクシデント発生】
 成田で前泊の私は8月17日昼過ぎの新幹線で広島駅を出発。年齢も50代後半に突入もあり、1カ月くらい前から会社の付き合いなど極力キャンセルして体調管理に努めてきたつもりであった。 しかし、異変は成田空港近くのホテルに着いたときに始まる。腰に鈍痛がきて前かがみすると自分の腹筋で支えるのがきつい状態で手で支えて座らないとならない状態になった。 ぎっくり腰の一歩手前のような状態。

 その夜は鈍痛で睡眠不足が追い打ちをかけた。翌朝、成田空港内のドラッグストアーで湿布を買い、腰全体に貼りまくり、騙し騙ししながらの不安の出発となった。

【ピンチを救ってくれた日本式指圧マッサージ】
 8月19日、ツアー初日行事を迎えることになり、腰痛の不安を抱えた状態であったが、まり子さん、ラジャさんのご配慮により、皆でマッサージに行くことになり、日本人がネパールで指導したという「友愛」という指圧マッサージ店で、若いネパール青年にしてもらったら、なんとさっきまでの腰痛が一気に楽になるではありませんか。

 摩訶不思議!おかげでその後のツアーは腰痛を感じることなく精力的に活動ができた。感謝!感謝!

【マイティ・ネパール訪問】
 マイティ・ネパールには、約250人の子どもたち、被害女性たちの生活の場および学校教育・職業訓練等を受けることで自立支援をしている。また、常勤弁護士が2名おられて、人身売買、DV等様々な女性救済の訴訟対応をしていると説明を受ける。
 
 まり子さんは、子どもたちから「ポカアンティ」と呼ばれていてお菓子を持ってきてくれるオバちゃんなのだとか。それで毎年この時期になるとポカアンティはいつ来るのかと子どもたちの間でささやかれるとか。
  事前に知らされていないようで、ポカアンティの姿を見るなり、子どもたちのウキウキ・ソワソワ状態が見て取れた。 数種類のお菓子の袋詰め作業を私達のほかマイティの女性たち10名くらいが手伝ってくれて時間を競って流れ作業するのであっという間に250個の袋詰めお菓子が完了。

 昼食後に1人ひとりに手渡しした。ナマステと言って渡し、子どもたちはサンキューとかナマステとか中にはありがとうと笑顔で応えてくれた。 澄んだ瞳で見つめてくれるので私の心も清らかな気持ちになった。救出間もない少女たちの姿もあった。 一見してわかるほど表情が乏しい感じで落ち着かない様子であり、非道な扱いを受けてきたことを想うと、長谷川まり子氏著書『少女売買』の内容とダブり、私の目前に現実の姿が存在していることに衝撃を受けた。

【ホスピス訪問】
 このホスピスは、ラリグラス・ジャパンが支援しているホスピスで、35名の大人女性から男子を含む子どもたちが生活している。全員HIVに発症していることから、免疫値が下がらないように朝7時と夕7時に看護師さんが口元に薬を入れるようにして、厳密に管理している。何故ならば、薬を飲まなかったりすると悪い抗体ができてしまう恐れがあるとか。

 1カ月6,000円かかるこの飲み薬が彼女たちの命をつなぐ大事なものゆえ、ラリグラス・ジャパンは、専属の事務所を置かず活動資金を現地支援に回すというポリシーとのこと。まり子さんをはじめとするスタッフの皆さんの約20年という長期間の活動を継続されていることに敬意を表するとともに、命をつなぐNGO活動だけに継続責任の重さを感じた。

【NDWS訪問】
 この施設では、保護者同士がボランティアで施設運営の取り組みを行うなど、自分たちでできるアイデアを出し合って一歩ずつ改善していこうという取り組みの紹介があった。とはいっても、資金援助が足りていない状況があるのも事実で、最後は、いつも資金の話になるとか。専任スタッフの月給は日本円で約1万円でやってもらっているとか(ネパールの平均年収が約6万円とか)。

【私企画 喜んでもらえたかな~】
 子どもたちが喜びそうなことは何かとスタッフの皆さんから情報を仕入れたりして、以下の2つのことを私個人の任務にしようと考えて事前準備をしました。結果はどうだったのでしょうか。
     

① このツアーを含め年2回のときにしか子どもたちは外出できないとのことを聞いて、狭い場所でも遊びながら体力をつけられる「けん玉」を指導しようと思いつき日本けん玉協会認定のけん玉13個と説明書を持参。

⇒ 子どもたちはけん玉は初めてだったようで、興味津々で練習してくれました。翌日はゲーム大会の予定があり、けん玉リレーとかをすると言ったので、その夜は子どもたちは遅くまで練習したとのことで、全員大皿に入れるのが上手になっていてビックリ。私のことも「けん玉アンクル」として覚えてもらえたようです。

② 携帯用カメラプリンターと変圧器とプリンター用紙300枚を持参。

⇒ 子どもたちはプリントした自分の写真をほとんど持っていないと聞き、思いついたのですが、総重量が約8kgあり、トランクケースに入れるのは壊れるリスクもあるので、リュックに入れて持参しました。昼間撮影した写真を夜ホテルでプリントして翌日に渡せるようにしました。外出の日の撮影写真は約300枚あったので、プリント用紙残数200枚に絞る作業と30枚ごとにカートリッジ交換があるため、この日は、睡眠時間がほとんどありませんでした。

 スケジュールの都合上、子どもたちに直接渡す時間がありませんでしたが、通訳のラジャさんから子どもたちは大変喜んでいたと聞き、無事役目を果たすことができてほっとしました。

【人生初の女装、しかも映画館~レストラン~ホテルまで】
 大野国さんと合流する前日の移動の車中で、ミツコアンティの話となり、まり子アンティに笑いの神様がおりたのか、思い出し笑いが絶え間なく続いた後、当初予定のない私とミツコアンティ共演の企画が……。

 その驚愕のストーリーとは、子どもたちと映画鑑賞のとき、前半が終った後の休憩後、ミツコ・マサコアンティに変身し、再び劇場(上映中の暗闇なのでわからない)に進入し、そのままでレストラン~ホテルまでいくというもの。映画が終わり、場内が明るくなり、退場する人たちの列に並んでいると私たちを2度見・3度見状態の人が……(劇笑)。

   その後、昼食レストランでは、子どもたちはアンティ・アンティと気をつかってくれたりで……。 自分の顔をカメラで見たときは絶句「オバケ~」。子どもたちにはどんなふうに映ったのかはわかりませんが、写真に写ったナイスな笑顔からは楽しんでくれたのかなと思うしかありませんが……(笑)。

【そもそもツアーの参加動機は?】
 前後するが、帰国後、このツアーになぜ参加したのか振り返ってみると、2011/3.11の東日本大震災発生後のボランティア活動に参加したことにいきつく。

 3.11発生後の4月下旬、塩竈市において民家のヘドロだし作業、その後7月に島での清掃活動、12月に南三陸町での漁業支援、その後NPO立ち上げ支援と続き、昨年11月から始めたのが仮設住宅の主婦の皆さんが作っている小物を広島のフリーマーケットで販売。ラリグラス・ジャパンのビーズ代行販売企画とここでつながる。

 何がきっかけでラリグラス・ジャパンのHPを見たのか忘れたのだが、その後、月1~2回の割合で南三陸町の小物販売と一緒にしたフリマ販売を行って今に至る。ビーズ商品の質問等を受けたりすることから、現地状況を知ってみたいということで参加に至った。


【このツアーで気付いたこと、これから何ができるか】
 東日本大震災で現地に出向き自分の目で見る・感じるというのは、自分の生き方・考え方を変えるほどのインパクトがあった。今回のスタディツアーで、「純真無垢な少女たちの自由に生きる権利を奪い、非人間的な扱いをしている許されない行為」の現実を知ったこと、知った限りには、人として、日本人としてほっておくことはできないとの考えに至る。

 ホスピスの子どもたちから、「来年また来てください」という言葉をもらったとき、来ますということは言わなかったが、来年のサプライズは、ネパール語で日常会話ができて、彼女たちに「けん玉アンクルはネパール語が上手になったね」と言ってもらえることでしょうか。また、フリマで彼女たちが作っているビーズ商品をたくさん売ることも頑張らねば。ナマステ(笑)

   以上
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