2014年夏(34回)スタディツアー感想文
12 )山田さん(静岡県 学生 女性)
 ツアー参加の決意をしたのは、私の大学に年に一度講義に来てくださっているまり子さんとの食事の席でした。書き出すと長くなるので書きませんが、まり子さんとお話をしながら「あぁ、もうこれはスタツアに参加するしかない」と思い、団体*注に何が足りないのか生かせる点はどこなのか勉強するつもりで参加しました。

しかし、ツアーではもはや団体のためだけではなく人として大切なことを山ほど学びました

続き
 ホスピス訪問初日、私たちが来ることを心待ちにしていると聞いてはいましたが、正直あんなに喜んでくれるとは思いもしませんでした。コンニチハー! と日本語でニコニコしながら私たちを出迎えてくれました。

 10日間でホスピスの子たちと過ごす日数が多かったのですが、3日目のあのショッピングは強烈に記憶に残っています。年に一度しかない外出の機会で、「みんなおしゃれをしていてかわいいね~」と言っていたのも束の間、グループ分けで一苦労。誰がどこのグループなのかペンで手に書くもショッピングを終えてみると何のためのグループ分けだったのか分からないほどに入り乱れていました(笑)。

 まり子さんからもらったお小遣いを握りしめ、何を買おうか悩んでお店をウロウロして品物を取っては戻し取っては戻しを繰り返し、真剣になっている姿がかわいく見ているだけで楽しかったです。

 私たちと一緒にいる間はずっと笑顔でいた子どもたちですが自慢げにベッドルームを見せてくれた時、小さなベッドを二人で使い、自分の荷物がごくわずかであることを知り、「これが子どもたちの全てなんだな」と、はっとしました。それぞれに暗い過去があり私たちには見せない顔があると聞き、女性と子どもたちと楽しい時間を過ごして少しでも楽しい思い出が増えたらいいなと強く思いました。

 カカルビッタでは人身取引の現実を目の当たりにすることになりました。トランジット・ホーム訪問時、私よりも年下で出産した女の子と国境付近で引き止められた2人の女の子と出会いました。知識はあったけれど実際に被害にあった子や保護された子を目の前にし、ショックを隠しきれませんでした。啓発活動を行っても誘いに乗ってしまう子たち、手段を変え女の子を連れて行こうとする犯人の話を聞き、問題の根絶の難しさを改めて感じました。

 サッチガッタでの思い出はとにかく踊って踊りまくったことです。手をつなぎ腕が抜けてしまうのではないかというぐらいの勢いで振り回し、元気いっぱいでパワフルなみんなには圧倒されました。とにかくみんなダンスが上手でした! ピクニックでは暑さに負けて全力で踊りきることができなかったので、次回までに体力をつけダンスの特訓もしておこうと思います。

 トランジット・ホームとサッチガッタを去る時、何ともいえない切なさがありました。「また来てね」「いつ来るの?」と泣きながら聞かれ、「1年後だよ」と答えるのがとてもつらかったです。反対に3日しか一緒に過ごしていないのにも関わらず、また来ることを待ち望んでくれていることがとても嬉しかったです。

 カトマンズに戻ってからNDWSと障害児を持つ家庭を訪問しました。友人や親戚に障害を持った人が多いので個人的にとても興味がありました。子どもへのケアが上手くできている家庭とそうでない家庭両方の状況を見て、周囲の人はもちろん家族の意識改革も重要な課題だなと感じました。

 NDWSのスタッフさんがお金の心配をせずいろいろな活動ができるように、そして、障害児を持つ家庭やその子がより過ごしやすい環境になるように継続的な支援ができたらと思いました。なんと言ってもまずは車です! 車獲得という重大な任務を託されたMさんとNさんのお役に立てることがあれば何でもします!

 最後になりますが、ツアー終盤に行われたメインイベントについてお話しします。目を閉じても浮かんでくる青ひげで赤鼻の酒乱一家のあの顔と何とも言えない迫力を放つミツコ(笑)、ハゲヅラを被っておやじメイクをして夜な夜な練習したマジックをホスピスの子どもたちに披露しました。

 男装女装した私たちを見て大喜びしてくれる子どもたちを見て、こっちまで最高の気分になりました。そして、そのままの格好でネパールの街を練り歩き、いろいろな種類の視線を浴び、これまた何とも言えない最高の気分になりました。ただミツコ大先輩の歩き方があまりにも怪しすぎて警察が呼ばれるのではないかとハラハラしました(笑)。

 少女の売買春・人身売買、HIV/AIDSなど取り組んでいる問題は、とてもシリアスでツアー参加までは楽しんでいいのかな? どんなテンションでいればいいかな? と少し不安な部分もありました。でも、そんな不安は全く必要ありませんでした。もう楽しまずにはいられない! 笑わずにはいられない! という感じです。

 たった10日間で何かを改善することはできませんが、楽しむことはできます! 子供たちと再会し、どんなふうに成長しているのかを見るのが楽しみで、すでに来年の夏が待ち遠しくてウズウズしています。ありきたりな言葉になってしまいますが、このツアーに参加したことで日本では過ごすことのできない刺激的な毎日を過ごし、多くのことを吸収できました。

 日本で自分が挑戦したいこと、やらなければならないことが見えてきました。たくさんのことをお話してくださったまり子さん、さばさばしていて楽しい秋山さん、お下げが似合う美脚のラジャさん、そして参加者の皆さん本当にありがとうございました!! また会える日まで! ナマステ!!!

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