2015年夏(35回)スタディツアー感想文
9)本橋さん(東京都 学生 女性)
 本ツアーの参加は今回で2回目になります。個人的な都合により、13日からの遅れての参加になりました。 マイティ本部、ワークショップへの訪問と、ピクニックには参戦できましたが、残念ながらプログラム前半にあったヘタウダへの訪問はかないませんでした。

 昨年、カカルビッタで、制服を着て不審人物の越境を監視する元被害者女性たちの姿に強く感じるものがあったので、今年もその“前線”を見学させていただいて、自らに喝を入れなければと長らく心に決めていたので、今回はそれができないことが本当に心残りでした。

続き
 また、前回は私にとってほぼ初めての海外だと言ってもいいものだったので、ネパールの雰囲気自体が新鮮で、なにを聞いてもなにを見てもすべてが刺激的でした。 スポンジのようにいろんなものを吸収することができていました。

 しかし今度は、「私はネパールのなにを見て、なにを知ってくればいいんだろう」そんな漠然とした疑問を抱えて、遂に解決しないまま6日間が終わってしまったというのが正直な感想です。 今年は4月に大きな地震もあったので、それもまた“考えなければならないこと”として私に視野を広げさせようとして、「なにから知ればいいのかわからない」といった具合に、私の思考はほぼ運動停止状態でした。 もう少し頭を働かせていれば、なにかはっとするものが見つけられたのかな、と思うと悔しさが残ります。

 とりあえず、今回のツアーで一番知りたかったことはホスピスの女性たちと、マイティ本部にいる子どもたちの安否だったので、ピクニックで元気にはしゃぐ姿が見られてとてもよかったです。 そしてなにより一番嬉しかったのは、ホスピスにいた子どもたちが私のことを覚えていてくれたことです。相変わらず“ディディ”ではなく“アンティ”と呼ばれていましたが……。

 ツアー参加者の鈴木さんが持参してくださったバルーンが大好評で、ピクニック用に確保したスペースの半分は風船の工房ができていました(笑)。 途中、同じく公園に遊びに来ていた地元の子どもたちも混ざってきて、「私にお花の風船を作って」「いや、私が先に頼んだ」「いやこれは私の風船でしょ」といったようにパニック状態に。

 今回のピクニックにはニューフェイス(被災者の女の子3名)も加わっているということで、誰が誰だか私はてんやわんやでした。 そんな中で1つとても感心したのは、クリシュナお兄さんの対応でした。「ホスピスの子を優先したほうがいいのかな?」と思っていた私の戸惑いを見透かしたかのように、雰囲気に誘われてやってきた地元の子どもたちの要望もしっかりと聞いて、私に伝えようとしてくれていました。誰にでも平等に優しく、それを当然のようにできてしまう彼の人格は、とても魅力的で立派なものだと思いました。

 風船作りや踊りに疲れたら、ベンチで休んでいる、去年カカルビッタにいた女性たちとゆっくりお話をすることができました。 ホスピスの子どもたちで盛り上がる中、少々疎外感を感じている人も多かったようです。そんなときは、おそろいのサンダルや、アクセサリーを褒めるととても嬉しそうにしてくれました。

 彼女たちとは昨年、「アンティ(まり子さん)以外誰も私たちを愛してくれない。 アンティが来年も来てくれなかったら死んじゃう」と悲しい涙にぬれての悲しいお別れになってしまいましたが、今年は皆、楽しそうな表情で満足そうに帰っていったので、とてもよかったです。 元気な子どもたちに圧倒される大忙しの1日でしたが、皆が笑顔でお別れできるのなら、今回のような大所帯でのイベントの形でよかったのかなと思います。とにかく、皆さんとっても元気そうで安心しました。

Copyright (C) Laligurans Japan