2016年夏(36回)スタディツアー感想文
10)宮野さん(埼玉 学生 男性)
 私は今回、学校の課外活動の一環としてこのスタディツアーに参加させていただきました。 今年の2月にまり子さんと石川さんに学校まで来ていただいて、ネパールの現状や人身売買の実態についていろいろな話を聞かせていただいたときに、 とても大きな衝撃を受け、ぜひツアーに参加させていただきたいと思いました。

 しかし、「売春や人身売買というテーマは高校生の自分には重すぎるのではないか……」「高校生の自分に何ができるのだろうか、逆に迷惑をかけてしまうのではないか……」 「男性がこのようなツアーに参加させてもらってもよいのだろうか?」など、不安もたくさんありました。 しかし、まり子さんがぜひ参加してほしいと言ってくれたことと、学院長や同級生、後輩に背中を押してもらったことで、参加させてもらう決意ができました。

 しかし、決断してからまり子さんの著書を読んだり、昨年のツアーレポートを読んだり、ネパール語を勉強したりしなかったのは大きな反省です。 特にネパール語は、少し話せるだけでもかなり違った交流ができたのかなと思います。

続き
 今回ツアーに参加させていただいて、本当によかったと思っています。 まず、もちろんですがネパールに実際に滞在し、少女の人身売買という深刻な問題について直接知れたこと、ネパールという国を自分の身体で感じられたこと。 そして、実際に被害にあった方々や、その子どもたち、彼らのサポートをしている人々などと交流できたこと。 さらに、高校生の私からしたら志が高く、しっかりと「己」を持っているツアー参加者の大人と過ごさせていただいた日々。 これらすべてが大変貴重な体験でした。ここでは、現地の子どもたち、そして参加者の方々から見習いたいと思ったことをそれぞれ書かせていただきます。

 現地に滞在し、たくさんの被害者の女性と接し、大変貴重な時間を過ごすことができました。 また、被害者の女性以外にも施設の子どもたちととても楽しい時間を過ごさせていただきました。 彼女たちと共に時間を過ごしていると、自分がなぜ今ネパールにいるのか、今一緒にいる女性たちが人身売買の被害者だということ、目の前の女の子がHIV陽性だということ、 それらすべてを忘れて純粋に楽しく遊ぶことができました。

 それは彼女たち自身が、純粋に私たちとの時間を楽しんでくれていたからではないかと思います。 私はその姿を思い返し、どんな困難があっても、大きなリスクを背負っていても、素直に「今」を楽しみ、将来の夢に向かって勉強をする彼女たちに感銘を受けました。 そして私も彼女たちのように常に前を向いて、素直に「今」という時間を楽しみたいなと強く思いました。

 現地の方々だけでなく、今回のツアーで11日間共に活動をしてきた他の参加者の皆さんからもたくさんのことを学ばせていただきました。 皆さんそれぞれ強い「己」を自分のなかに持っていて、ツアー中にさまざまな話を聞かせていただきました。 人身売買という問題やネパールという国についてはもちろん、日ごろどのようなお仕事をなさっているのか、今までの人生の話など、高校生の私からしたらとても貴重な話でした。 皆さんしっかりとした「己」をもっているからこそ自分が本当に目指したい、やり遂げたいことを見失わずに追い求められるのだなと感じました。 私も10年後、20年後は皆さんのように、強い「己」を持ち、自分が本当にやりたいことを見失わずに追い求められる大人になりたいと改めて強く思いました。

 今夏このスタディツアーに参加させていただき、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。 ふとしたさり気ない時間でも学ばせていただくことは本当にたくさんあって、今までで一番濃厚だといっても過言ではないほどの日々でした。 今回高校生が5人も参加させていただき、迷惑をかけたことも多々あったと思いますが、まり子さんをはじめ、温かく受け入れ、接してくださった方々には本当に感謝しています。 ありがとうございました。


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