2016年夏(36回)スタディツアー感想文
8)白井さん(千葉 学生 女性)
 ネパールという国について私は全く知識がありませんでした。首都がカトマンズであること、国旗が三角形なこと、エヴェレストがあること、この3つしか知りませんでした。

 私が人身売買、少女たちの売春がネパールで行われていることを知ったのは、学校のSGHのプログラム表を見て、吉田先生に話を聞きに行ったときです。 大学の附属高校に入ったから何かしたい、という軽い気持ちで行ったのを覚えています。私はほかの皆さんのように何か目的があって参加したというよりは成り行きで来た部分があったと思います。

 もちろん、興味がなかった、というわけではありませんが、その問題について積極的に取り組もうとかはあんまり考えていませんでした。 吉田先生に話を聞きに行った後も理解できていなかったと思います。それでも一度足をつっこんでしまった以上やり遂げなければいけないというのはありました。

続き
 7月に初めて皆さんとお会いしたときに、今年は大学生が少ないとおっしゃっていましたが、それでも社会人の方が多いという印象を受けました。 私は最年少だったこともあり、皆さんときちんとお話をすることはできるのだろうかという不安はありました。それは出発当日、そしてネパールに着いてからもありました。

 初めての食事ではまだ高校生は高校生で、去年も参加していた人はそこで固まっていて交流はそこまでなかったと思います。 現地での活動2日目くらいから少しずつお話をさせていただきました。私が皆さんとたくさんお話しできるようになったきっかけは、ヘタウダまでの6時間の移動だと思っています。 高校生も2台に分乗したので固まることなくそれぞれ長い間いろんなお話をさせてもらいました。

 ヘタウダに着き、買い物に行こうとなったときにはだいぶ打ち解けてお話しすることができました。 皆さんとの関わりの中でショーなど、大人になっても一生懸命になる姿に尊敬と感謝の気持ちが大きく芽生えました。 学生が何かに向かって一生懸命になるのは普通です。でも大人が一生懸命になると一気にかっこよくなるし、大きな意味をもつと思いました。

 大人でも一生懸命な人がいるのだなという希望をもらえました。そして、最年少の私とも対等に話してくださり、皆さんからはこれからの生き方のヒントをいただきました。 普段は話すことのない世代の方、関わることのできないお仕事をされている方、貴重なお話を聞くことができてよかったです。

 ネパールという国について、空港の駐車場で待っていたときに一番感じたのは空と山が近いということでした。 カトマンズは標高が1500mくらいあるということで、日本に比べたらそう感じるのは当たり前のことかもしれません。 それでも自分にとっては新鮮でした。街中に出れば、車もバイクも多いし建物も多いのでイメージしていたネパールよりも発展していました。

 マイティ・ネパールの本部もきれいで大きく、正直そんなに苦労していないのでは? と思う部分もありました。 でも、お菓子配りをしたときに喜んでくれたので普段は生活も大変なのだろうなと実感しました。 私がお菓子をあげるとみんな「THANK YOU」と言っており、私は自然に「YOU ARE WELCOME」と言ってしまいました。 でも、その後にこれって少しおかしいと感じました。確かに何かをもらえば“ありがとう”と言うのは普通かもしれませんが、私が「どういたしまして」と言うのは女の子たちを上から見てしまっている気がしました。 そこで自分のなかで意識が変わったと思います。

 こちらはボランティアとして来ているがそんなことは女の子たちには関係なくて、1人の人間として対等に向き合っていくのが本当の接し方なのだろうと思いました。 学生時代の今しかそういう接し方もできないと思うので、大事にしたいと思いました。またマイティの子も、ホスピスの子もプリベンション・キャンプの子も尊敬できる部分がたくさんありました。

 私は高校生ですが自分で洗濯はしませんし、食事の手伝いもしません。その点、彼女たちは日本の同年代の子に比べて何倍も働き、自立しています。 一方で普段は年下の面倒などをみているお姉さんでも、ピクニックのときには音楽に合わせてノリノリに踊っていてやっぱりティーンエイジャーだと思いました。 私も一緒に踊りましたがなかなかハードだったので途中で離脱してしまいました。インドの映画で見たことのある腰をくねくねさせて、くるくる回る踊りをみんなで踊れてよかったです。

 プリベンション・キャンプに来たばっかりの子は緊張してか最初は険しい顔で踊ってくれませんでしたが後半になると少しずつ踊り始めて慣れてきて楽しんでくれていたのかなと思います。 どこのピクニックでも一番の人気はバルーンアートでした。私は犬くらいしか作れませんでしたが、鈴木さんに教えてもらってお花や指輪をみんなにプレゼントできました。思い出だけでなく、何かものとして残るものをあげることができてよかったです。それを見てまた来年を楽しみにしてもらえていると思います。

 私自身、まだこの問題に一生をかけて取り組む覚悟ができでいません。それでも、現状を知ってしまった以上見て見ぬふりをすることはできません。 まだ高校生なので金銭的な援助というのはそんなにできませんが、文化祭での物品販売の売り上げの寄付や、報告会で来年に活動をつなげられるようにするなど自分ができることで問題とかかわっていきたいと思います。 今回はありがとうございました。今後もよろしくお願いします。

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